2012年03月01日
<3月号>第三回 「大井川橋」編
今月の特選ネタ(この橋はどこでしょう。)
皆様お久しぶりです。
第1、2回「蓬莱橋編」が無事終了し(渡りきれなかったわけですが!)、熱烈な応援メールを数多くいただきました。
「まさか身近に橋マニアがいたなんて!」(意外とこういう反応多かったんです)
「家の近所に◎◎な橋があってね・・・」(情報提供ありがとうございます!)
「またなんで・・・どうして橋なの・・・ヒソヒソ」(どうしてって・・・ねえ・・・「ロマン」です)
ありがとうございます!
その一方でプロジェクトPアクセスランキングはランク外(クリック!)でして、何とも順調にスキマ産業の道を邁進する橋めぐり、待望の(?)第3回です。
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前回はまさかの補修工事中だった蓬莱橋。旧金谷町上陸は叶いませんでした。
さすがは
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」
とも詠われた、東海道一の難所です。
かつては軍事的・政治的な理由から橋を架けることが許されなかったため、大雨による増水などが起こると往来を禁止されました。旅人にとっては、対岸が見えるのに渡れない…なんとももどかしい。まさに前回の僕です。
(上:東海道五十三次 嶋田宿と下:金谷宿。当時は人足(にんそく)と
呼ばれる人が旅人を背負って渡っていたんです)
そこで!ここから
大井川攻め
で行きます。
大井川に架かる橋を攻略していきます。
3月号でやってきたのはこちら!
大井川橋!
(大井川橋)
車道と歩道からなる、鉄橋です。
【基本情報】
正式名称:大井川橋(道路名:一般県道島田金谷線⇒旧国道1号)
場 所 ・・・ 島田市(島田市稲荷~旧金谷町金谷河原)
形 式 ・・・ 17径間下路式プラットトラス橋
下部工 ・・・ 橋台2基、橋脚16基
建設年 ・・・ 1914年(大正13年)~1928年(昭和3年)
全 長 ・・・ 1026.4m
橋 幅 ・・・ 8.3m
(静岡県歴史的土木遺産データベースより)(外部リンク)
八幡製鉄の鋼材を使用し、工事は横浜船渠が行いました。
八幡製鉄とは・・・社会科の教科書にも登場する、あの八幡製鉄所です。1901年創業で、大井川橋建設当時は政府の所管・つまり官営でした。
日本の富国強兵と殖産興業、製鉄を基にした経済発展の礎となった存在です。
現在の新日本製鉄八幡製鉄所(外部リンク)ですね。
横浜船渠とは、現在の三菱重工業横浜製作所の前身(外部リンク)。氷川丸などの大型船の建造も行っていた会社です。
現在も、大井川橋の橋脚や柱には、両社の刻印があります。これは次回以降に写真をお届けします!
それにしても、堪らないですね~。マニア垂涎の下路式プラットトラス橋!!戦前に建設されたトラス橋としては日本最大級なのです。
(トラスとは、鉄を三角形につないだ形のことです。鉄骨がこんな感じで △▽△▽△▽△ 組み合わさっているイメージ。)
建設当時の姿を色濃く残しているため、土木学会選奨土木遺産(平成15年)(外部リンク)に認定されました。県内では前述の安倍川橋と大井川橋の2つしかないんですよ。
突然ですが…裸の大将でおなじみ・山下清をご存知ですか?ドラマを見ていた方が多いかもしれません。
島田市民の僕は、小さい頃から「大井川橋はね、山下清が歩いて渡った橋なんだよ」という話をあちこちで聞かされたんですが、
いくら調べてもそんな情報出てきません。この未確認情報の出所はなんなのか?ご存知の方がいらっしゃったら連絡ください。
これが大井川橋だ
(これが大井川橋正面。車の量が尋常じゃありません)
橋の始まりには、燦然と輝く土木学会選奨の証が!左にあるプレートが認定証です。
(文字が風化し、よ、読めない・・・)
この橋は車道と歩道がわかれています。通学通勤のために利用する人が多く、自転車で通過する人がかなりたくさん。今回は自転車で旧金谷町を目指します!ちなみに、蓬莱橋と違って無料です。
ではでは、横断開始です。
(脇を自動車が通過しっぱなし。距離が近い。ど、どうも。)
すぐ脇を自動車。ドライバーと目が合うことなんもしばしば。
この歩道、かなり狭いので向かいから来る歩行者、自転車とすれ違う時に結構怖いです。
でも、この日は快晴、絶好の橋日和。自転車で橋を渡るのは、地上を見下ろす分、通常のサイクリングより気持ちいいです。これは橋好きだから・・・という理由だけではないはず。
と順調だったのも最初のうちだけ。なにせ川を1000mも渡るので、
風が強い
強風がすさまじく、自転車が吹き飛ばされそうになります。
50mも進むと、息も絶え絶え。横殴りの風は体力を容赦なく奪っていきます。あがる息、張る筋肉・・・風のさわやかさも冷たさへと変わり、ハンドルを握る手の熱を奪っていきます・・・
はい、運動不足を恥じます。
普段からサイクリングやジョギングを趣味にしている人には、ちょうどいいんじゃないでしょうか。そんなこんなで必死に漕いで行くと、何かを発見。
(これは!)
(まさか!)
休憩ポイント!(らしきもの)
風の強さにテンションダダ下りだった自分ですが、この休憩ポイントによって体力気力が回復しました。RPGのセーブポイントのような安心感を提供してくれます。
セーブポイントには、
バラ!(風化前は真っ赤であっただろう)バラ!!
島田市のバラは有名(外部リンク)なので、それつながりなんでしょうね。
大井川橋には何か所かセーブポイントがありますが、すべてに違った図柄が入っています。
2つ目のポイントには・・・
(これまた花。何の花でしょう。)
(唐突に表れた方位。ああそうか、僕は今西へ向かっているんだなあ・・・と感慨に浸るためでしょうか。)
(と、ここではSL。大井川鉄道の蒸気機関車(外部リンク)のことですね。)
(このセーブポイントでちょうど真ん中くらいでしょうか。周囲の眺めはこんな感じです。
南の方角を向いて。)
(ふと横を見れば、トラス。実にいいトラスしてますね。)
セーブポイントを追いかけつつ進んでいくと、いつの間にやら大井川を渡りきれそうなところまで来ました!
(振り返ったところ。遠くに、遠くに島田市街が見えます。)
そして!ついに!
橋の終わりが見えてきました!
(む・・・またなにやら絵が。)
橋の終わりは、
(旅人)
旅人がお出迎え。
いやー、ついに、ついに大井川を渡り切りました!
(金谷側から見た大井川橋。なんか島田側よりも記念碑が立派だぞ・・・。)
思い返せば蓬莱橋から足掛け3か月・・・長い道のりでした。
(長い道のりだった)
(金谷側の河川敷は、UFOが去ったばかりのような、ミステリーなサークルのような形に
刈り込まれた植木が点在する不思議の街でした。)
今回の橋めぐり、いかがだったでしょうか!
次回はどこの橋へ行こう・・・?? ほどほどに、ご期待ください!!
(夕方の大井川橋も、それはそれできれいですよ。)
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