2012年07月03日
<7月号>第7回「安倍川橋」編
今月の特選ネタ
(くもり空)
夏。
日に日に蒸し暑さが増す今日この頃。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
僕は相変わらず、台風が来るたびに蓬莱橋の橋脚を心配してしまう毎日です。
静岡県を直撃した台風5号・・・いつも流されてしまう蓬莱橋は耐えられたのか心配で、夜も寝られません。
今回の橋めぐりは、
「静岡橋界のトップランナー」「トラスの申し子」
との呼び声高い
安倍川橋
です。
(ここをご覧になっている橋マニアの方々には当然解説するまでもないと思うのですが、)
静岡県内を代表するトラス式橋です。
第3回の橋めぐりで取り上げた、「大井川橋」と基本は同じ構造(完成は安倍川橋が5年早い)。
土木学会選奨土木遺産にも登録されています。
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【基本情報】
正式名称:安倍川橋(道路名:藤枝静岡線)
場 所 ・・・ 静岡市
形 式 ・・・ ボウストリングトラス橋、ローゼ橋
建設年 ・・・ 1923年(大正12年) 関東大震災があったり、ウォルト・ディズニー・カンパニーが設立された年です。
全 長 ・・・ 490.8m
橋 幅 ・・・ 7m
素材 ・・・ イギリスから輸入。こう見えて実はイギリス生まれなんですね。
(静岡県歴史的土木遺産データベースより)(外部リンク)
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1874年(明治7年)に、蓬莱橋と同じく木造の賃取り橋として完成。当時は民間の管理でした。
その後、1896年(明治29年)に県の管轄へ移行して通行無料に。このころの橋の名前は、「安水橋」。
そして、1923年(大正12年)に鉄橋として完成します。
自動車が増えてきたころでしょうから、木造だと損傷が激しかったのかもしれませんね。
この時の木造⇒鉄橋への架け替えにかかった費用は、当時の金額で
594,000円
とされています。(wikipedia-安倍川橋-より)
ちなみに、1874年に安水橋を作ったときの総工費は7,000円だそうです。
そしてなんと、県内の四大河川に架けられた最初の永久橋(=鉄鋼やコンクリートによる、半永久的使用を目的とした橋)なんです!!
<静岡県4大河川(富士・安倍・大井・天竜)永久橋架設の流れ>
①安倍川橋(1923年・大正12年) ・・・ 「橋界のトップランナー」たる所以です。土木学会選奨土木遺産登録。
②富士川橋(1924年・大正13年) ・・・ 総工費850,000円。リッチ。
③大井川橋(1928年・昭和3年) ・・・ 「長さは1キロ越え」。第三回で特集。 土木学会選奨土木遺産登録。
④天竜川橋(1933年・昭和8年) ・・・ 「暴れ天竜」と呼ばれるほど流れの強い天竜川に架かる、「安定感抜群のニューフェイス」。
では早速。橋を渡りましょう。
今回は東から。丸子から静岡市街へ入るルートです。
(見えてきました)
鉄橋というと淡い青色が多い印象なのですが、安倍川橋は緑。
(余裕すら感じさせる立札。ひるんではいけない)
橋に近づくと・・・
(いざ橋めぐり)
この橋、静岡から焼津・藤枝・島田方面へ抜ける道だけあって交通量が多いです。
通勤時間帯は、渋滞なんてこともしばしば・・・。
橋マニアの皆様、ここでのんきに写真なんかとっているとなかなか危険ですから、くれぐれも注意してくださいね。
(一列走行厳守でお願いします)
ここが歩道&自転車通行道。
いやー、実にいいトラスしてますね。
(トラスとは三角形のこと。「トラス橋」は△▽△▽△という形で鉄骨が組んである橋のことです)
元々はイギリスから輸入された鉄を使って作られた安倍川橋。この写真の部分も、当時のものかもしれません。
こちらは、渡っている途中で振り返ったところ。治水の発達した現代では、昔のように豪快に流れる水はありません。
雲の合間から、青空が見えていました。
(丸子・手越の方面)
しばらく行くと、対岸が。広い河川敷はスポーツに最適ですよね。この日は少年サッカーでした。
マラソンをする人や、キックボードをする人、バーベキューをする人もいましたよ。
(遠くで少年たちがサッカーを・・・)
・・・と、ここで対岸へ到着。葵区へ足を踏み入れました(渡り始めた丸子は駿河区)。
今回は風も強くなく、さくさくと。
振り返れば、これまでの道のり。
(全長は490.8mです)
ふと脇を見ると、やはりここは安倍川。安倍川餅の看板がけっこうたくさん立っています。
(ここで豆情報です。「橋を渡りきった後で食べる安倍川餅はおいしい」)
葵区側から見た、橋の入り口。
(相変わらずわらず車は多い。くれぐれも気を付けましょう。安倍川餅の看板が見切れてます)
(安倍川の土手から一枚撮影。橋脚の下はバーベキューの車でいっぱい)
安倍川橋、ようやく制覇しました。「橋めぐり」と言っておきながらなかなか取材できずにいたので、これで一つ、「橋めぐり」の公約を果たせたかと思います(大げさ)。
次はどの橋をめぐろうか・・・皆さまからの情報もお待ちしております!
ではまた次号!次の橋でお会いしましょう!
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